
〇公開 2023年6月
〇監督 前田哲
〇原作 田島列島「水は海に向かって流れる」(講談社)
〇脚本 大島里美
〇音楽 羽毛田丈史
主題歌 スピッツ「ときめきpart1」
〇視聴時間 123分
〇出演
榊千紗(広瀬すず)
いつも不機嫌な26歳のOL
熊沢直達(大西利空)
シェアハウスに引っ越してきた高校生、茂道の甥
歌川茂道(高良健吾)
直達の叔父、脱サラした漫画家、通称"ニゲミチ先生"
泉谷颯(戸塚純貴)
楓の兄、女装の占い師
泉谷楓(當間あみ)
颯の妹、直達の同級生、陸上部員
榊謹悟(勝村政信)
榊の父親
熊沢達夫(北村有紀哉)
直達の父親
高島紗苗(坂井真紀)
榊の母親
成瀬賢三(生瀬勝久)
世界中を旅する大学教授
ミスタームーンライト
シェアハウスの一員、愛称"ムー"
〇作品紹介
この雨の日の出会いが、世界を変えた―
通学のため、叔父・茂道の家に居候することになった高校生の直達。
だが、どしゃぶりの雨の中、最寄りの駅に迎えにきたのは見知らぬ大人の女性、榊さんだった。
案内されたのはまさかのシェアハウス。
いつも不機嫌そうにしているが、気まぐれに美味しいご飯を振る舞う26歳のOL/榊さんを始めとし、脱サラしたマンガ家の叔父・茂道、女装の占い師・泉谷、海外を放浪する大学教授・成瀬・・・と、いずれも曲者揃いの男女5人、さらには、拾った猫・ミスタームーンライト(愛称:ムー)をきっかけにシェアハウスを訪れるようになった直達の同級生で泉谷の妹・楓も混ざり、想定外の共同生活が始まっていく。
そして、日々を淡々と過ごす榊さんに淡い想いを抱き始める直達だったが、「恋愛はしない」と宣言する彼女との間には、過去に思いも寄らぬ因縁が・・・。
榊さんが恋愛を止めてしまった《本当の理由》とは・・・?
※「水は海に向かって流れる」公式サイトより
〇雑感
わたし、恋愛しないので。
監督は「そして、バトンは渡された」(2021)「ロストケア」(2023)等をはじめとする沢山の作品で紹介してきた前田哲。
脚本を担当した大島里美は「君と100回目の恋」(2017)や「漁港の肉子ちゃん」(2021)のレビューでも取り上げたことがあります。
原作は第24回手塚治虫文化省新生賞の受賞作で、田島列島の「子どもはわかってあげない」も上白石萌歌主演で2021年に映画化されました。
ちなみに"田島列島"はもちろんペンネームで、ご本人は多摩美卒の女性ですのでお間違えなきように。
ちなみに探偵社から届いた封書の宛名を見ると千紗の住所は「神奈川県相模原市部妻川2-17-5」となっていますが、これも架空の住所ですから"ロケ地巡り"をして迷子にならないようにして下さい
雨の日に直達がやって来たシェアハウスの住民にはちょっと複雑な家族関係があり、千紗に想いを寄せ始めた直達によって少しずつその"隠された事実"が解きほぐされていきます。
千紗役の広瀬すずは仏頂面で笑わない女性を演じていますが、彼女が抱えつづけてきた"怒り"の感情の理由は本作品の肝なため秘しておきます。
直達を演じた大西利空は、阿部寛主演のドラマ「ゴーイング マイ ホーム」(2012、フジTV)に5歳で出演しているという経歴の持ち主なんです。
彼がこれまで出ている映画やドラマをざっと並べるとこんな感じになります。
ぼくのおじさん(2016)
3月のライオン(2017)
キングダム(2019)
ファーストラヴ(2021)
るろうに剣心 最終章 The Final(2021)
ドン★キホーテ(2011、日テレ)
空飛ぶ広報室(2013、TBS)
半沢直樹(2013、TBS)
そして、誰もいなくなった(2016、TBS)
アキラとあきら(2017、WOWOW)
シグナル 長期未解決事件捜査班(2018、フジTV)
病室で念仏を唱えないでください(2020、テレ朝)
どうする家康(2023、NHK)
真夏のシンデレラ(2023、フジTV)
ちはやふる-めぐり-(2025、日テレ)
ザ・ロイヤルファミリー(2025、TBS)
まだ19歳だから今後さらに活躍することでしょうね
女装の占い師を演じた戸塚純貴は、ラストを迎える「もしも世界が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう?」(フジTV)でついに毛脛モネと付き合えることになりました!まさかの警官を辞職しての猛烈アタックに拍手、パチパチパチ!
戸塚は「良いこと悪いこと」(日テレ)でスナック店主の"今國"を演じていますが、"ひょっとして彼が一連の殺人事件の〇〇では?"という噂もあります、
10月に公開された映画「秒速5センチメートル」にも出ていたし、かなりの売れっ子になってきた感じがします。まあいい意味でキャラが強い役者です。
占い師の妹役を演じた當間あみも「ちはやふる-めぐり-」(日テレ)のヒットを含めますます好調で何よりなところ。
来年1月には當間が主演する「終点のあの子」も公開される予定です。
そして熊沢役の北村有起哉です!
北村は「小さい頃は、神様がいて」(フジT)で仲間由紀恵から10年前に離婚を求められたちょっとたよりないパパを演じていますが、本作品ではちょっと意外な役柄に徹しています。まあ許されないかなぁ・・・。
"純な高校生と年上の訳あり女性の間に芽生えたラブストーリー"とも言えそうだけど、まあ細かいところはぜひ本作品をご覧になってお考え下さい。
家族間の秘密・・・口を滑らせないように気をつけないと
まあ途中でちゃんと説明があるからそれまでは我慢しておきましょう。
最後に本作品のタイトルについて。
"水が海に向かって流れる"のはごく当たり前のことですよね?
天から雨(雪)という"水"が降ってきて地面に浸み込み、その水たちは地下(または地表)を通って川へと流れ込み、川は海へと流れ着いていく。
満ち潮などの作用で海から川へと水が逆流することももちろんあるけれど、基本的に"水は最終的に海へと流れ出る"と言えると思います。
さて、本作品は「雨」のシーンから始まります。
それは"直達"と"千紗"の出会いを起こす"雨=水"だったと言えます。
お互いの「心」に触れ始めたり様々な「思い」をぶつけ合ったりしながら、2人は"海"でひと時を過ごすことになります。
「水に流す」という言葉があるけれど、千紗は肉親から傷めつけられた心を決して「水に流す="忘れる"」ことはありませんでした。
彼女がようやく自分の固く閉じられた心を溶かし始めたのは、まさに"水"と共に現れた直達の真っ直ぐで熱い自分への想いがあったからです。
空から舞い落ちて来た"水"はあちこちへ蛇行したり時には「淀んだり」しながらも、共に流れゆく"水"の力を支えとして広がる海(未来)へと進んでいくことが出来る・・・そんなイメージが湧いてきそうな作品ではないでしょうか。
何より、千紗を演じたのが「広瀬すず」だったからこそ、この味わいが醸し出されたのだと思えてなりません。
もう綾瀬はるかや長澤まさみといったお姉さんに甘えたり、「競技かるた」に熱中したり、チアリーダーで飛び跳ねたり、大学生の家に連れ入れられて行方不明になったりしていた"少女"の広瀬すずではないということです。
アマプラその他の配信サービスでの視聴も可能となっていますので、ぜひトライしてみて下さい!

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by django32002
| 2025-12-11 15:56
| 映画
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