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映画

Gully Boy

〇2019年公開Gully Boy_f0169598_14482710.jpg

〇監督 ゾーヤー・アクタル

〇脚本 ゾーヤー・アクタル、リーマー・カーグディー

〇音楽 カルシュ・ケール

〇受賞
第26回スター・スクリーン・アワード
 最優秀作品賞、最優秀監督賞
 最優秀新人男優賞、最優秀音楽賞、最優秀作詞家賞
 最優秀台詞賞、最優秀撮影監督賞、最優秀衣装デザイン賞
ジー・シネ・アワード
 最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀主演女優賞
 最優秀新人男優賞、最優秀撮影監督賞、最優秀編集賞

〇出演
ムラド・アフメド/ガリーボーイ(ランヴィール・シン)
サフィナ(アーリヤ―・バット)
シュリカント/MCシェール(シッダーント・チャトゥルヴェーディー)
アフターブ・シャーキル・アフメド(ヴィジャイ・ラーズ)
モイン・アーリフ(ヴィジャイ・ヴァルマ)
ラズィア・アフメド(アムリタ―・スバーシュ)
ナーシル(アイクラーケ・カーン)
ハミダ(シェーバ・チャッダ)
シュウェタ/スカイ(カルキ・ケクラン)
サフィナの弟(アヤーン・ズバイル・ラフマニ)
チントゥ(ラーフル・チスク)
ダディ(ジョーティ・スバーシュ)
サルマン(ナクル・ローシャン・サーデーヴ)
ムラドの伯父(ヴィジャイ・マウリヤ)
ジュヒ(ジャスリーン・ロイヤル)
スカーレット(クブラ・サイト)
マノージュ・ムーシク(本人)
ラージャ・クマリ(本人)

〇作品紹介
ムラドは、雇われ運転手の父を持ち、スラムに暮らす青年。
両親はムラドが今の生活から抜け出し成功できるよう、彼を大学に通わせるために一生懸命に働いていた。
しかしムラドは、生まれで人を判断するインド社会に憤りを感じ、地元の悪友とつるみ、内緒で身分の違う裕福な家庭の恋人と交際していた。
ある日大学構内でラップをする学生MCシェールと出会い、言葉とリズムで気持ちを自由に表現するラップの世界にのめりこんでいく。
そして”ガリーボーイ”(路地裏の少年)と名乗り、現実を変えるためラップバトルで優勝を目指す事を決意する。
※「Gully Boy」公式サイトより

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〇雑感
こんなイカしたラップ映画を製作する監督に興味が湧き急いでググってみると、なんとゾーヤー・アクタルって女性監督なんですね!!
最初はビックリもしましたが(ん?ジェンダー意識的に問題ありかも?)、彼女の実績を調べてからは納得しました。
彼女は1972年生まれですから、現在まだ49歳・・・。もう凄すぎます。
同じく脚本のリーマー・カーグティ―も女性で、自身が監督した作品もあります。
「映画が取り持つ仲」の親密な二人だったと言えるでしょう。
本作品”Gully Boy”は、スラム育ちのNaezy(ネィズィー)というインド人ラップミュージシャンの実人生をモデルにしています。
Naezyの相方的なラッパーDivine(ディヴァイン)、は本作品のラスト近くにある「フリースタイルラップ決勝戦」で司会役として登場していました。
アクタル監督がNaezyの存在を知った事が、本作品製作のスタートだったらしいんです。
「決勝戦に勝てば同じステージに立てるぞ!」ムラドが興奮していたNASも実在の超実力派のアメリカ人ラッパーであり、NASは本作品に製作総指揮として参加しています。
さらには本物のストリートラッパーたち数十人も登場して、それぞれ持ち味タップリのラップを歌っています。
ロケはムンバイ空港の近くにありアジア最大と言われるダラヴィ・スラムで行なわれたのですが、住民の方々は撮影に比較的協力的だったらしいという話も残されています。
今もムンバイに暮らすアクタル監督は「この映画を通して伝えたい事は?」というインタビューにこう答えていました。
格差がある社会でも夢をもつこと
インドの社会には様々な「格差」がある事は多くの人々が指摘していますが、13億人で構成されたインド人社会の変革には若者のエネルギッシュなパワーが必要不可欠である事は明らかだと思います。
作中でムラドが力強い声でこう歌っていました。
My time will come(俺の時代が来る)
Change your fate(運命を変えろ)
インドでしか生まれ得なかったヒップホップを歌う若者たちに、その光の一筋を垣間見てしまうのは幻想でしょうか?
ムラド役のランヴィール・シンとサフィナ役のアーリアー・バットは、どちらも生粋のムンバイ生まれです。
”次世代のキング☆オブ☆ボリウッド”と呼ばれているランヴィール・シンの甘いマスクやアーリアー・バットの美しさに敵うハリウッド俳優はそうそういないと断言できます!もちろん二人の演技もですね、ハイ!
ちなみにムラドのサポ役で出ているMCシェールを演じたシッダートンは、本作品が映画初出演となるんだそうです。堂々と歌っていたし、全くそんな感じはしませんでした。
作品中で歌われていたラップ曲は、次の通りです。
Goriye
Doori Poem
Everyday
Jahaan Tu Chala
Sher Aaya Sher
Har Gham Mein Khushi Hai
Jingostan Beatbox
Apna Time Aayega
Dil Pe Mat Le Yaar
Ny State Of Mind
Aane De Aane De
Doori
Kaam Bhaari
Mere Gully Mein
Jeene Mein Aaye Maza
Allah Ke Bande
Kab Se kab Tak
Azadi
Asli Hip Hop
Ek Hee Raasta
India 91
Kadak Ban
Train Song
NY Se Munbai
※これらの曲は「サウンドトラック盤」に収録されています。
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最後に余談を一つ。
第92回アカデミー賞の国際長編映画部門にはインドから「Gully Boy」が、日本からは「天気の子」が出品されました。
結果的には「パラサイト 半地下の家族」が受賞したのですが、この三作品に共通するものがある事を感じてしまうのは私だけでしょうか?

154分の上映時間が長いと感じられる方もいるかもしれませんが、騙されたと思って最後までご覧下さい!
損はさせません、キッパリ!!
※と言うか、まだ観ていない方には一刻も早く観る事をお勧めします!
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by django32002 | 2021-04-11 18:30 | 映画 | Comments(0)

あくまで趣味の範囲ですので、そこはよしなに!!


by Yorozu