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映画

ガタカ

〇1997年公開ガタカ_f0169598_17361154.jpg

〇監督 アンドリュー・ニコル

〇脚本 アンドリュー・ニコル

〇出演
ヴィンセント・アントン・フリーマン(イーサン・ホーク)
アイリーン・カッシーニ(ユマ・サーマン)
ジェローム・ユージーン・モロー(ジュード・ロウ)
アントン・フリーマン(ローレン・ディーン)
ジョセフ※ガタカ航空宇宙局長(ゴア・ヴィダル)
ヒューゴ捜査官(アラン・アーキン)
シーザー※清掃課長(アーネスト・ボーグナイン)
レイマー医師(ザンダー・バークレー)
遺伝学者(ブレア・アンダーウッド)
ジャーマン※ユージーンとの仲介人(トニー・シャルーブ)
マリー※ヴィンセントの母親(ジェイン・ブルック)
アントニオ※ヴィンセントの父親(イライアス・コティーズ)
幼児期のヴィンセント(メイソン・ギャンブル)
幼児期のアントン(ヴィンセント・ネルソン)
児童期のヴィンセント(チャッド・クリスト)
児童期のアントン(ウィリアム・リー・スコット)

〇あらすじ
Consider God's handiwork,who can straighten what He hath made crooked?!
(旧約聖書「伝道の書」7章13節)
"I not only think that we tamper with Mother Nature,I think Mother wants us to"
(ウィラード・ゲイリン)

ヴィンセントは車の中で作られました。
母親は遺伝子学ではなく「神」に全てを託してヴィンセントを産もうと決めます。
ヴィンセントが生まれた時代には、「出産後すぐに産まれた子の推定寿命や死因を判定する」技術が開発されていました。
ヴィンセントの両親は、医師から「心疾患を持つ可能性が高いこの子の推定寿命は30.2歳」と宣告されます。
自然妊娠で生まれたヴィンセントは、教育施設からも「責任が持てません」と入園を拒否されました。
ヴィンセントの両親は、「次の子は人工授精と遺伝子操作によって産もう」と考えます。
ほどなくして受精の確認を告げた医師は、両親に生まれてくる子の性別を決めるように求めました。
こうしてヴィンセントには、アントンと名づけられた弟が出来ました。
完全な健康体として成長を始めたアントンは、8歳の時に10歳のヴィンセントの身長を追い抜いてしまいます。
仲の良い兄弟の二人は両親の目を盗んでは海に行き、どちらが遠くまで泳げるかという「度胸比べ」をしていました。
体力面で劣るヴィンセントは常にアントンに負けていました。
少年となったヴィンセントの夢は「宇宙飛行士」になる事でしたが、両親が無理だと言う通り実現の可能性はあまりありません。
選考試験を受けてみても、常に細胞検査や尿検査でひっかかって不合格になります。
ある日、アントンとの度胸試しでヴィンセントは初めて勝ちました。
自信を持ったヴィンセントは、限られた時間で夢を実現するため家を出て行きました。
数年後、ヴィンセントはトイレ掃除をしながら各地を転々としていました。
何度試験を受けても血液検査で不合格になるヴィンセントは、違法とも思える手段に出るを決意します。
何らかの事故などに遭ったエリートの遺伝子は高値で取引きされる事を知ったヴィンセントは、「遺伝子売買」仲介人と契約を交わし元水泳選手のジェロームを紹介されました。
ジェロームは不慮の事故で車椅子生活を余儀なくされたメダリストです。
ヴィンセントはジェロームの遺伝子を用いて「ジェローム」に成り変わりました。
髪型も歯もコンタクトもすべてジェロームに成りきったヴィンセントは仲介人から「身長が違う」と言われたため、足を切って背を伸ばす手術も受けました。
手術の回復を待っているヴィンセントはジェロームと親しくなっていき様々な話をするようになります。
ヴィンセントは近づいてきた「ガタカ航空宇宙局の入社試験」の準備にとりかかります。
ジェロームは「早く自分の名前に慣れろ。俺の事はミドルネームのユージーンと呼べばいい」とヴィンセントに語りかけました。
ガタカの面接の日、ヴィンセントはユージーンの尿を持って試験に臨みました。
検査官の医師が「尿検査は合格だ。面接はこれでもう終わった」と話したため、ヴィンセントは歓喜します。
ヴィンセントはユージーンの自宅へ戻り、彼に報告します。
合格したよ。
ユージーンが答えます。
当たり前だ!
「適正の世界であるガタカ」に「不適正な本当の自分」が現われないようにという考えから、ヴィンセントは毎日「垢や髪の毛」を徹底的に処分して裸の身体中をブラシで磨く事を続けました。
ユージーンは尿検査用の尿やガタカの入管チェック用の血液を蓄えたり、その他の様々な体組織をヴィンセントに提供しました。
ヴィンセントは「優秀なエリートのジェローム」としてガタカ内で出世していきます。
ある日、いつものように「尿検査にパスするためジェロームの尿が入った点滴パック」を足に巻き付け、「入館時にジェロームの血液をかぶせた自分の指紋」を使ってガタカに出社したヴィンセントはオフィスで仕事を始めました。
土星の衛星タイタンへの有人ロケット打ち上げは、数日後に迫っていました。
仕事を終えたヴィンセントは、パソコンのキーボードの隙間に挟まっているゴミをいつも掃除機で神経質そうに取り除きます。
そんなジェロームの様子を見かけた局長が声をかけて会話が始まりました。
綺麗好きだな、ジェローム。
清潔は信仰です。
計画書のタイプミスも全く無くて驚異的だし、土星探査に向かうのにふさわしい人物だ。
惑星探査は延期されたのでは?
予定通り1週間後に実施する。
その後、局長から薬物検査を受けてくるように言われたヴィンセントはキーボードに別人の「角質」をふりかけ、櫛に別人の「髪の毛」を付着させて引き出しに入れました。
レイマー医師の行なう尿検査を受けたヴィンセントは「適正者」の判定を告げられます。
その後、外に出てロケットの打ち上げを見ていたヴィンセントは、同僚のアイリーンに声をかけられました。
ヴィンセントがアイリーンとオフィスに戻った時、入口付近に人だかりができていました。
その先の床には広がりつつある「血だまり」が見えました。
遺体を見ようと近寄ったヴィンセントはすぐにその場を立ち去りましたが、それまでヴィンセントが立っていた場所の窓の桟には一本の「睫毛」が落ちていました。
すぐに警察が到着し、被害者はキーボードで殴られた事が判明します。
コンピュータやキーボードにある小さなゴミも見逃さないようにと指示が下り捜査が始まりました。
アイリーンは局長から捜査の手伝いをするように指示されます。
その時、窓の桟に残されたヴィンセントの睫毛を掃除人が掃除機で吸い上げていました。
アイリーンは捜査の手伝いをする途中で、ヴィンセントの机の引き出しに入っていた櫛に付着していた髪の毛を持ち出して検査してみました。
検査結果は、ジェロームを示す完璧なデータでした。
警察の捜査の中で証拠品として集められた「睫毛」が検証され、「不適正者」のものという判定が出ます。
ガタカ内にいるヴィンセントがルームランナーでランニングをしている姿を満足そうに局長が眺めていた時、捜査官が「容疑者が出た」と報告に来ました。
「不適正者の部外者を容疑者として捜査する」と話す捜査官の声がヴィンセントにも聞こえ、彼の心拍を表示している装置の波形が急に乱れ始めます。
ヴィンセントは慌てて胸に装着していた装置を外して、部屋を出て行きました。
アイリーンがロケットの打ち上げを見ていると、ヴィンセントが近づいてきました。
君も宇宙へ行きたいんじゃないのか?
アイリーンは返事をした後、自分の髪の毛を抜いてヴィンセントに手渡しました。
私は心臓が弱くて旅ができるのは地球だけ。
この髪の毛を調べたら分かるわ。
ヴィンセントはその髪の毛をその場に捨てました。
風にさらわれてしまった。
その後、ヴィンセントがオフィスで仕事をしていると、突然自分の顔が「容疑者の不適正者」として社員全員のパソコンのディスプレイに表示されます。
ユージーンの家に帰ったヴィンセントが話し出します。
逃げよう。
自分の手配写真が全員にばら撒かれた。
ユージーンが答えます。
大丈夫だ、エリートが偽物だなどと思う筈がない。
睫毛はしまっておけ、不注意だぞ。
「どうせ捕まるくらいなら」と考えたヴィンセントは、同僚の集まりへ出かける事にしました。
窓の下では迎えに来たアイリーンが車の中で待っていました。
ガタカ内では清掃員が片付けようとしていたゴミ袋までもが押収されました。
その袋には、ヴィンセントが捨てた「紙コップ」も入っていました。
六本指のピアニストのリサイタルを楽しんだヴィンセントとアイリーンは、帰る途中で検問にかかってしまいます。
ヴィンセントはコンタクトを取り外して車外に捨て、警官には唾液検査をさせず指の先の血を検査させてその場を切り抜けました。
ヴィンセントが捨てた紙コップをもとに「ガタカ内に偽社員がいる可能性」が浮かび上がります。
捜査官は全社員の「静脈血液検査」を実施しましたが、ヴィンセントはそれも何とか誤魔化して難を逃れました。
全員の検査後も何も明らかにならなかったため、捜査官は再検査を求めますが局長は拒否しました。
70年に7回しかない打ち上げのチャンスを逃す事はできない!
検問後、ヴィンセントとアイリーンがレストランで食事をしている時に警察が踏み込んできました。
ヴィンセントは警察の制止を無視してアイリーンと逃げ出します。
警察は店内のグラスやアイリーンが残した錠剤ケースなどを押収しました。
店の外へ逃げたヴィンセントたちは見張り役の警官に見つかってしまい、ヴィンセントが警官を殴り倒してしまいます。
アイリーンを連れて走り出したヴィンセントは、暗い物陰に隠れました。
倒れた警官から証拠をつかもうとした1人の捜査官がヴィンセントたちが走って行った方向に向かって叫びました。
ヴィンセント!!
次の日、ガタカ内で捜査官がジェロームの席のキーボードを調べているのを見かけたアイリーンは、通りかかったヴィンセントに「もう帰ったら?」と声をかけました。
ヴィンセントはあわてて踵を返し部屋から遠ざかります。
捜査官はアイリーンからジェロームは気分が悪くて退勤したという事を聞き、見舞いに行くので案内して欲しいと頼みます。
ヴィンセントはユージーンに電話して急いで告げます。
すぐ自分に戻るんだ!
捜査官がやって来るぞ!
ユージーンは車椅子から降りて自力で階段を2階へと這い上がり始めます。
捜査官とアイリーンが玄関チャイムを鳴らし始めた時、ユージーンはなんとか返事をしてソファに座りました。
入ってきた捜査官はすぐにユージーンの静脈血液検査を行ないました。
検査機器に「適正者」の表示が出たのを確認した捜査官は、階段を下りて下の部屋へ行こうとしました。
下の柱の後ろにはヴィンセントが隠れています。
その時、捜査官に「犯人を逮捕した」という電話がかかったため、捜査官は急いで家を出て行きました。
ユージーンと向かい合ったアイリーンは、階段を上がってくるヴィンセントを見つけます。
ヴィンセントとユージーンが、互いに同じ名前で呼び合いました。
ジェローム。
ガタカに戻った捜査官は、局長が犯行を自供したと知らされます。
探査機の打ち上げ中止がない事になったため局長はスラスラと自供した事や睫毛の持ち主は犯行には無関係という事が報告されました。
ガタカに行ったヴィンセントはオフィスの自分の席に座っている捜査官を見つけます。
捜査官は後ろ姿のままで声をかけてきました。
ヴィンセント?弟を忘れたのか?
捜査官のアントンとヴィンセントは「度胸試し」で初めてヴィンセントが勝った日の事を話します。
あの時、救われたのを忘れたのか?
もう一度してみせる。
夜の海に来た二人は服を脱いで沖へと泳ぎ始めました。
遠くまで泳いだ時、アントンは岸へ戻り出しますが沈んで意識を失ってしまいます。
ヴィンセントはアントンを助けて抱きかかえ岸へ泳ぎ出しました。

ユージーンの家へ戻ったヴィンセントに、ユージーンが話しかけます。
今日、出発なんだろう?
細胞や血液のサンプルは軽く一生分あるから帰ったら使えよ。
「なぜこんな事を?」と尋ねるヴィンセントにユージーンは返事をしてから手紙を渡しました。
旅に出るからさ。
手紙は、宇宙で読めよ。
ヴィンセントがガタカに出勤すると尿検査の場所が増えていました。
レイマー医師にヴィンセントが渡した尿は「不適正者」の結果を出します。
レイマー医師は「息子が君の大ファンでね」と言いながら、検査結果を「適正者」に差し替えました。
微笑みながら目線で先を促すレイマー医師に後押しされたヴィンセントは、前を向いて進み始めました。

ユージーンは家の焼却炉の中に入り扉を閉めて点火しました。
ヴィンセントが乗った宇宙船の入り口ドアが閉められた後、ロケットが打ち上げられました。
ヴィンセントがユージーンから渡された手紙を開くと、中には「遺髪」が入っていました。
そして・・・。
ガタカ_f0169598_17362133.png
〇雑感
ガタカをアルファベットにすると「GATTACA」となります。
これは、DNAの基本塩基を示しているそうです。
※そんな難しい事は分かりません・・・。高校くらいで習うんですかねぇ??
g:guanine(グアニン)
a:adenine(アデニン)
t:thymine(チミン)
c:cytosine(シトシン)
本作品はSF映画というジャンルに入れられている事が多いと思うのですが、ゴリゴリのスペースSFではありませんのでご注意を。
近未来SFタッチはありますが、それも「味付け」で実際はヒューマンドラマ色が強いかと。
1997年という時代が「血液による生体識別」というテクを使わせたのだとは思うけれど、「他人の血液を指紋に濡らすだけでチェックを通す機器」ってかなりヤバいですよね!?
産まれる子どもの性別すら自由に決定できる「遺伝子」操作というレベルを扱っていますが、どのシステムにも何が何でも「血液」を使いたがっているのはなぜなんでしょう?
もう1つ。
ヴィンセントが「心臓が悪い」アイリーンを愛そうがどうしようが特に構う気はありませんが、二人が海岸沿いのホテルで一夜を過ごすシーンって本当に必要なんでしょうかねぇ・・・117.png
まあともかく、なんと言おうと見ごたえがあるのはジュード・ロウの妖しい美しさにつきます!!
この時まだ、25歳113.png
この後、「アビエイター」(2004)でエロール・フリン役をしたり「ヒューゴの不思議な発明」(2011)でヒューゴの父親役をやるとは思ってなかった事でしょう。
もちろん、イーサン・ホークもユマ・サーマンも素晴らしい演技を見せてくれます。
※観ていてふと感じたのは、遠目で観るとユマ・サーマンって「フワちゃん」に少し似ているような似てないような??
清掃課長を演じたのがアーネスト・ボーグナインというのもすごい。
「ポセイドン・アドベンチャー」でジーン・ハックマンと衝突するNY市警の警官をやっていたのを思い出しますね。
「マーティ」(1955)という作品で主演男優賞を獲得している今は亡き名優です。
尿検査を誤魔化して(こんな風にあっさり検査結果を改竄されるような危機管理は、ガタカ社に猛省を促したい)くれてヴィンセントが宇宙船に乗り込めるようにしてくれたレイマー医師を演じたザンダー・バークレーは、「リービング・ラスベガス」(1995)でタクシー運転手だったり「アミスタッド」(1997)に出ていたりするようなのですが、申し訳ないですがすぐには思い出せませんでした。
遺伝子仲介人は「メン・イン・ブラック」(1997)で頭を吹っ飛ばされるエイリアンを演じたトニー・シャルーブです。

本作品も106分と意外と短いので、あっという間に観終える事かと思います。
まだの方、ぜひご覧下さい!!

















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by django32002 | 2021-03-04 17:39 | 映画 | Comments(0)

あくまで趣味の範囲ですので、そこはよしなに!!


by Yorozu