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映画

教誨師

〇2018年公開教誨師_f0169598_18380714.jpg

〇原案 佐向大

〇監督 佐向大

〇脚本 松田広子

〇受賞
第28回日本映画プロフェッショナル大賞:主演男優賞(大杉漣)
第73回毎日映画コンクール・スポニチグランプリ新人賞(玉置玲央)

〇出演
佐伯保(大杉漣)
※少年時代の保(杉田雷麟)
高宮真司(玉置玲央)
野口今日子(烏丸せつこ)
進藤正一(五頭岳夫)
小川一(小川登)
鈴木貴裕(古舘寛治)
吉田睦夫(光石研)
佐伯健一(青木柚)
長谷川陽介(藤野大輝)

〇作品紹介
プロテスタントの牧師、佐伯保。
彼は教誨師として月に2回拘置所を訪れ、一癖も二癖もある死刑囚と面会する。
無言を貫き、佐伯の問いにも一切応えようとしない鈴木。
気のよいヤクザの組長、吉田。
年老いたホームレス、進藤。
よくしゃべる関西出身の中年女性、野口。
面会にも来ない我が子を思い続ける気弱な小川。
そして大量殺人者の若者、高宮。
佐伯は、彼らが自らの罪をしっかりと見つめ、悔い改めることで残り少ない”生”を充実したものにできるよう、そして心安らかに”死”を迎えられるよう、親身になって彼らの話を聞き、聖書の言葉を伝える。
しかしなかなか思い通りにはいかず、意図せずして相手を怒らせてしまったり、いつまで経っても心を開いてもらえなかったり、苦難の日々が繰り返される。
それでも少しずつ死刑囚の心にも変化がみられるものの、高宮だけは常に社会に対する不満をぶちまけ、佐伯に対しても一貫して攻撃的な態度をとり続ける。
死刑囚たちと真剣に向き合うことで、長い間封印してきた過去に思いを馳せ、自分の人生とも向き合うようになる佐伯。
そんな中、ついにある受刑者に死刑執行の命令が下される・・・。
                               ※「教誨師」公式サイトより

〇雑感
名優大杉漣の最後の主演映画です。
教誨師とは、刑務所や少年院等の矯正施設において、被収容者の宗教上の希望に応じ、所属する宗教・宗派の教義に基いた宗教教誨活動(宗教行事、礼拝、面接、講話等)を行なう民間の篤志の宗教家である。
平成29年末現在の矯正施設における教誨師の人数は約2000名であり、そのうち仏教系が約66パーセント、キリスト教系が約14パーセント、神道系が約11パーセント、諸教が約8パーセントとなっている。※公式サイトより
教誨師_f0169598_18381107.png
全編にわたってバックに流れる音楽や効果音などというものは一切なく、教誨師の佐伯が刑務官に監視された部屋の中で死刑囚1人ずつと面会し、様々な会話を交わすというシーンがずっと続きます。
プロテスタントの牧師なのに「神父さん」と呼ばれたり、まさに大阪のおばちゃん風の女性からありもしない事を言われたり、大量殺人犯から哲学的な難題をふっかけられたりと、佐伯の教誨活動は厳しい状況の中で行なわれます。
イルカは知能が高いから殺さないのだ。
という今では破綻している考え方を言った佐伯は、「知能が低い動物は殺されても仕方がない、という考えは俺と一緒じゃないか!!」と高宮から論破されそうになっていましたね。
一つ一つの面会シーンは淡々と描かれているのですが、かなり難解なテーマを扱っていると感じました。
机の上に置かれた「卓上カレンダー」が、パタンと倒れる意味は?
死刑執行直前にしがみついてきた高宮が、佐伯の耳元で呟いた言葉とは?
文字を手にし始めキリスト教に入信した進藤は、なぜあの言葉を写真の裏に書いたのか?
これらは本作品を鑑賞後にじっくりと考えるべきものたちでしょう。
俳優陣は個性的な方々ばかりで、見ごたえ十分です。
烏丸せつこって、こんな演技できるなんてやりますよねぇ・・・110.png
※最後に佐伯が乗っている自動車を運転していた女性が誰なのかは、最後のクレジットを参照下さい。

114分と短めですが、中身はたっぷりとあります。
ぜひ、ご覧下さい!!



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by django32002 | 2021-03-02 18:40 | 映画 | Comments(0)

あくまで趣味の範囲ですので、そこはよしなに!!


by Yorozu