〇1998年公開

〇監督 トム・シャドヤック
〇脚本 スティーヴ・オーデカーク
〇出演
Dr.ハンター・”パッチ”・アダムス(ロビン・ウィリアムズ)
トゥルーマン・シフ(ダニエル・ロンドン)
カリン・フィッシャー(モニカ・ポッター)
ミッチ・ローマン(フィリップ・シーモア・ホフマン)
ディーン・ウォルコット(ボブ・ガントン)
Dr.イートン(ジョセフ・ソマー)
ジョレッタ(イルマ・P・ホール)
ビル・デイヴィス(ピーター・コヨーテ)
アーサー・メンデルソン(ハロルド・グールド)
ジュディ(フランシス・リー・マッケイン)
ディーン・アンダーソン(ハーヴ・プレスネル)
アデレイン(ダニエラ・クーン)
ビリー(ジェームズ・グリーン)
ルディ(マイケル・ジェッター)
トレヴァー・ビーン(ブルース・ボーン)
Dr.パック(ハリー・グローナー)
エメット(バリー・シャバカ・ヘンリー)
その他
〇あらすじ ※ネタバレに注意して下さい!
1969年のアメリカでハンター・アダムスは自殺未遂を起こし、フェアファックス病院の神経科に任意入院をします。
個室を望むハンターの意向は通らずに、リスを怖がる小柄な男ルディと同室になります。
患者に冷たいこの病院には、精神を病んでいる様々な人たちが入院していました。
ハンターは、かつて天才と呼ばれたアーサー・メンデルソンという初老の男性から「指は何本に見えるか」と質問されますが、「四本」と答えたためアーサーにバカにされてしまいます。
入院患者のグループディスカッションに参加したハンターは、あれこれとジョークを言って一同を笑わせます。
夜になって寝ていたハンターは、ルディから起こされてしまいます。
ルディがリスの幻覚でトイレに行くのを怖がっていたため、ハンターは存在しないリスと銃撃戦を行なって撃退し、ルディをトイレに行かせる事に成功します。
患者たちとの交流を通して、笑ったり楽しむ事で人生の質を高められると考えたハンターは、その素質が自分にあると気づきます。
その後、ハンターがアーサーの部屋を訪れると、アーサーは机に向かって何かを記録しようとしていました。
ハンターは再びアーサーから指の数を尋ねられますが、アーサーの言葉をヒントに違った視点から指を見て答えます。
8本ある。
アーサーから「ものの見方」を学んだハンターが机の上を見ると、紙コップからコーヒーがこぼれていました。
ハンターが穴を直してくれたので、アーサーがハンターに声をかけます。
ありがとう、パッチ。
ハンターは自分のあだ名をパッチにする事になり、その後自主的に病院を退院します。
2年後、パッチはヴァージニア医科大学へ入学します。
ルームメイトになったミッチと講義に出たパッチは、学部長のディーン・ウォルコットが熱弁する「医師になるための心構え」を聞きます。
しかしパッチは、その内容を納得することがどうしても出来ませんでした。
同期に入学した数少ない女性の一人であるカリンが気に入ったパッチは、彼女に声をかけますがあっさりとふられてしまいます。
その現場を見ていたトゥルーマンとパッチは友人になっていきます。
ある日、パッチは持論をテストするためトゥルーマンと街中に行き通行人に声をかけていました。
二人がたまたま通りがかった場所では「全米食肉業者」の大会が開かれており、パッチたちは言葉巧みに会場へと入って行きます。
いつのまにか会場内のステージでスピーチをしていたパッチは、なんと優勝をしてしまいます。
パッチは、優勝商品として食肉業者用の「白衣」を受け取ります。
ヴァージニア医科大学では3年生から患者の臨床を行なうカリキュラムでしたが、1年生のパッチはもらった白衣を着て病院にもぐり込みます。
ナースステーションの女性看護師たちに軽口をたたいたパッチは、大勢の子どもたちがいる病室に入ってしまいます。
パッチは浣腸用のボールを鼻に着けた姿や面白いジョークを飛ばして部屋にいる子どもたちを笑わせます。
暗い顔でベッドに寝ていた子どもたちの表情が一気に明るくなっていきます。
しかしパッチのこの行動はウォルコット学部長に知られてしまい、厳重注意を受けることとなります。
後日、大学の試験結果が発表されると、カリンは合格すれすれでしたが、パッチはトップクラスの成績をとっていました。
同室のミッチをはじめ、パッチが勉強をしている姿をほとんど見た事がない周囲の学生は誰もが驚きます。
学部長から注意を受けたにもかかわらず、白衣姿のパッチは病院に潜り込んで患者や病院のスタッフを笑わせ続けました。
パッチはカリンに何度も声をかけ続けますが、”男嫌い”の彼女はパッチを拒絶します。
パッチの考えに賛同したトゥルーマンも病院での行動に参加するようになっていたある日、パッチはカリンにも協力を頼みます。
浣腸用のボールをつけて笑わなければあきらめる、とパッチに言われたカリンはボールを自分の鼻につけてみます。
そのままパッチの方を向くと、彼は手鏡を持って彼女の顔が自分で見えるように構えていました。
思わず笑みを浮かべてしまったカリンは、パッチの手伝いを約束することになります。
トゥルーマンとカリンを連れて夜の病室に入ったパッチは、たくさんの風船をふくらませてから男の老人の足元におもちゃの鉄砲を置き彼を起こします。
老人は「生きているうちにもう一度サファリに行きたい」という夢を持っていたのです。
嬉しそうにおもちゃの鉄砲で風船を撃ち続ける姿を、隣のベッドに寝ている老女も楽しそうに眺めていました。
パッチは老女に「どんな夢がありますか?」と尋ねます。
老女は子どもの頃に母親から「ヌードルがちゃんと茹で上がったかを確かめる係」だったと話し始め、ヌードルのプールで泳いでみたいと言い出します。
度重なる校則違反に怒ったウォルコット学部長は、パッチを呼び出して放校処分を通告します。
ウォルコット学部長は、医者と患者が友だち関係になどなる必要はないという考えを頑固に貫こうとします。
納得できないパッチはアンダーソン学長に直談判をして、処分の取り消しを取り付けます。
少しずつパッチに対する見方を変えていきつつあったカリンは、パッチからある提案を受けます。
街中のレストランで「病院の治療費が高すぎる」と人々が嘆くのを聞いたパッチは、無料のクリニックを開くことを思いついていたのです。
大学3年生になった年、パッチはアーサー・メンデルソンに頼んで山間部にある土地と家を借りることに成功します。
パッチは、カリンやトゥルーマンらの手伝いを受けて「無料クリニック」の開設にこぎつけます。
クリニックには大勢の患者が訪れ始めます。
患者の中に、ある日ふらりとクリニックへ入ってきたラリーという青年がいました。
自傷行為を繰り返していたラリーに危険を感じたカリンはパッチにそう話しますが、パッチはどこまでも患者に対する態度を変えません。
パッチの存在が自分の癒しになっていると感じたカリンは、自分のつらい過去を告白しパッチへの気持ちを伝えます。
パッチは愛の詩を読み始めますが、トゥルーマンが入ってきて中断してしまいます。
クリニックに薬やガーゼが足りないとトゥルーマンから聞かされたパッチは、「医者と遺体に扮する」というトリックで病院から必要なものを持ち出します。
同じころ、クリニックに戻ったカリンは留守電にラリーからの伝言が入っているのに気づきます。
「調子が悪い」というラリーの声を聞いたカリンは、一人でラリーの家へ向かいます。
家の中にいたラリーは、一人でピアノを弾いていました。
カリンに気づいたラリーは、もう大丈夫と言いながらカリンのコートを受け取ります。
翌日、パッチは学長に呼び出されます。
ガーゼ類の盗難が発覚したと観念したパッチは、大学へ出向き学長の部屋へと入ります。
学長が話し始めます。
カリンが昨夜殺された。
カリンを猟銃で殺したラリーも、直後に自殺した。
自分のせいでカリンが死んだと思いつめたパッチは、クリニックを閉じようとします。
ミッチがパッチを止めようとして話し出します。
患者の老女がこの数週間食事をとろうとしてくれない。
患者の診断なら誰にも負けない自信があるが、もうお手上げなんだ。
誰からも好かれる君に教えてもらいたい。
以前、カリンと眺めた断崖の上でパッチが佇んでいます。
パッチは自殺するつもりになっていました。
その時、パッチのバッグに一匹の蝶がとまります。
パッチは、カリンが話してくれた言葉を思い出します。
毛虫になって、蝶になって飛んでいきたいの。
バッグにとまっていた蝶が羽ばたいて飛んでいく姿を見つめていたパッチは決心します。
パッチは再び病院へ戻り、食事をとろうとしていなかった老女のためにヌードルのスープを作り、一緒に中へ入ります。
喜ぶ老女と病院のスタッフや患者たち。
この騒ぎでパッチは、あらためて退学処分になってしまいます。
納得できないパッチの訴えで、大学の協議会が開かれます。
討議ののち、協議会が決定を下します。
パッチの素行は褒められたものではないが、医療を良くしようとする姿勢は認められる。
言動には十分に気をつけて、今後も学業に励むように。
パッチは退学を免れたのでした。
ヴァージニア医科大学の卒業式が開かれます。
学長に呼ばれて卒業生のパッチが壇上に上がります。
他の学生と同じようにきちんと制服を着ているパッチに、卒業証書を手渡していた学部長が嬉しそうに話しかけます。
お前も改心したようだな。
一礼してパッチが振りかえると、制服の後ろ半分はありませんでした。
お尻丸出しの姿で壇上から降りて歩き出すパッチを、会場に来ている女性看護師やルディたち患者仲間らが見送ります。
そして・・・。

〇雑感
パッチが去って暗くなったスクリーンに、最後に次の文字が出てきます。
以後12年間 パッチは町医者として
無料で1万5000人を超える患者の治療に当たった
現在はウエスト・バージニアに”お元気でクリニック”を建設中
パッチに共鳴する1000人以上の医師が参加を申し出ている
BGMで、ロッド・スチュワートが歌う「Faith Of The Heart」が流れます。
長い長い道のり あそこからここまで
長い長い時間 やっと私の時が来た
感じるかい?風向きの変化を?
行く手を遮るものはない 私を押さえつけるものもない
解き放たれた世界
自分のハートを信じ続けて ハートの導くままに
正しいと思うことを信じれば できないことはない
くじけぬ魂を持ち続ければ 決して負けることはない
どんな星にだって 手がとどく
信念を捨てないで 信念を捨てないで
自分のハートを信じ続けよう
長い長い夜 道を探し求めて
闇の中で迷い やっと見つけた日の光
抱いていた夢がやっと叶って
青空に手がとどく
もうくじけない何をされても 信念は変わらない
自分のハートを信じ続けて ハートの導くままに
正しいと思うことを 信じればできなことはない
くじけぬ魂を持ち続ければ 決して負けることはない
どんな星にだって 手がとどく
信念を捨てないで ハートを信じよう
身を凍らす冷たい風 先の見えないまっ暗闇
でも感じるだろう? 風向きの変わったことを
燃える火の中をくぐり 雨の中を歩いた
でも私はくじけない
自分のハートを信じ続けたから ハートの導くままに
正しいと思うことを信じれば できないことはない
くじけぬ魂を持ち続ければ 決して負けることはない
どんな星にだって 手がとどく
信念を捨てないで ハートを信じて
ハートの導くままに
正しいと思うことを 信じればまけることはない
どんな星にだって 手がとどく
信念を捨てないで 信念を捨てないで
ハートを信じ続けよう
この長い長い道のり
実は、これまでに数回この作品は観た事がありました。
今回、久しぶりに観たのですが色々と感じる結果となりました。
まず、ストーリーの細かな部分はあまり覚えていなかったので、カリンが銃殺される件も初めての衝撃に感じました。
う~ん、「本っ当に記憶力がないのでは?」と自分を疑ってしまいます!!
最初のテロップにあるように、パッチ・アダムスは実在の人物で現在も活動されています。
有名になったホスピタル・クラウンの考案者ですよね。
本作品で出てくる出来事が全て事実だとは思えませんが、どこからが虚構なのかは分かりません。
カリンの殺害とか産婦人科教授を迎える時のドアのオブジェ等は虚構のような気がします・・・。
卒業式の「モンティパイソン式お辞儀」もそうではないのかなぁ・・・。
作品自体は見事によく出来ていますから、お子様から大人まで楽しめる事は請け合います!!
パッチは最初「神経科」に入院してルディたち患者と出会うんですが、ここら辺は問題提起なのだと思えます。
手を上げ続けている患者にせよ天才アーサーにせよ実際のケースをもとにはしている筈ですが、パッチがアーサーをからかいの対象にしている場面はどう考えればいいのでしょうね?
本人は分かっているのだから、少しくらいギャグの素材にしても大丈夫さ!って事なのかな?
「こんなの差別です!」と言われそうな気もするんですが
※ついでになりますが、「映画の中でパッチがとった行動が全て正しい」と考えるのはちょっと危ない気もしますがどう思いますか・・・?
ロッド・スチュワートの歌詞にある「正しいと思うことを信じればまけることはない」「正しいと思うことを信じればできないことはない」「くじけぬ魂を持ち続ければ決して負けることはない」「自分のハートを信じ続けてハートの導くままに」をパッチが演じてくれます。
ちなみに、この楽曲を少しアレンジした曲が「スタートレック・エンタープライズ」のオープニングテーマとなっています。
俳優陣は、文句のつけようがありません。
カリン役のモニカ・ポッターは、サイコスリラー「ソウ」や「コン・エアー」にも出ています。
「ショーシャンクの空の下に」で憎い刑務所長だったボブ・ガントンは、こういう憎まれ役が多いなぁ。
主演のロビン・ウィリアムズは、今さら説明など不要でしょう。
63歳で亡くなったのが、本当に残念です・・・。
115分が、あっという間に過ぎてしまう作品です。
まだ観てないよ~!という方、絶対にお勧めします!!
わたしもずいぶん前に見て、いい映画だなあと思ったのは覚えているのですが、自殺や殺人事件のくだりはまったく覚えていませんでした。何事にせよ、形式ばかりではなく、本当に大切なものが評価される、そういう世の中であってほしいなあと、改めて感じました。
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by django32002
| 2020-11-13 16:47
| 映画
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